あらすじ
午前二時十三分。
富樫十兵衛は、壁の向こうから女の声を聞いた。
「ここ、どこ?」
始まりは、借り上げアパートの壁に浮かんだ黒い染みだった。
海のない町で聞こえる波の音。
深夜に届く白紙のFAX。
記録から消えた男。
そして、なぜか繰り返し現れる「203」という数字。
調べるほど、富樫の平凡な日常は少しずつ歪んでいく。
だが、本当に異常なのは壁の向こうなのか。
それとも、与えられた意味を疑わず受け入れてきた自分自身なのか。
「わかりました」
そう言って生きてきた一人の会社員が、初めて自分で答えを選ぶまでの物語。
全203話・完結済。
※本作品はカクヨムにも掲載しています。