あらすじ

兄のディーンは、私の帳簿から署名の部分を小刀で四角く抜いた。次に給金欄へ定規を当て、赤い線を一本引く。私の三年分が、たいへん姿勢よく消えた。 切り取った小片は火鉢へ。七の末尾につけた小さな返しが、丸まって黒くなる。 「不足金を出したのはお前だ。家の金を減らした女を、いつまで置いておける」 帳面で机を叩かれた。父の前では帳簿を胸に抱え、家名を守る孝行息子。私しかいないところでは机を叩く。帳面は便利だ。計算にも威嚇にも使える。できれば前者だけにしてほしい。

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小説を読もう2026/08/18
  • 現在の作品名と給金を奪われ追放された会計令嬢は、三度目の帳簿で辺境伯に見つけ出される