あらすじ
この世界に神様がいるのだとしたら、そいつは間違いなく「魔法使い」だ。
魔法という絶対の力を持つ特権階級が支配する、極彩色のサイバーパンク都市『ネオ東京』。
魔法が一切使えない無能力者の少年・桂田亮吾は、スラム街で魔法警察に「焼却処分」されかけていた。
彼の罪は、魔法の理(ルール)を強制初期化する禁忌のAIロボット『ジェット』を創り出したこと。
絶体絶命の窮地。彼を救ったのは、ネオ東京の遥か上空に浮かぶ治外法権の浮遊都市『大江戸』から舞い降りた一人の少女だった。
「私、新選組壱番隊隊長、沖田桜花! 護衛の任、遅参いたしました!」
浅葱色のだんだら羽織を纏い、魔法の炎すら真っ二つに両断する最強の剣士。
しかし彼女は、泥水に土下座して顔を真っ黒にするような、下の世界の常識が一切通じない不器用な少女だった。
彼女の剣では、都市のシステムは斬れない。
だが、亮吾のハッキング能力『大政奉還(ゼロ・リブート)』ならば、国家の魔法ネットワークそのものを制圧できる。
自身の神経を焼き切る激痛を代償に、偽りの理をぶっ壊す無能力者の少年。
彼を信じ、その背中を守り抜く空飛ぶサムライ・ガール。
「誰も殺さずに、このネオ東京を『無血開城』するんだよ」
圧倒的な国家の暴力と不条理を「知恵」と「機巧」、そして「剣」で打ち破れ。
歴史の敗者たちが空から反逆する、途方もなく痛くて眩しい夢物語が、今始まる。