あらすじ
あらすじ
剣も使えない。
魔法も使えない。
チート能力もない。
異世界へ転移した男が持っていたのは、百貨店バイヤーとして働いてきた経験だけだった。
召喚された先は、勇者軍との戦争に苦しむ魔王城。
ところが城内を見た彼は、すぐに異変に気づく。
武器は山ほどあるのに前線へ届かない。
回復薬は倉庫の奥で眠り、食料は管理されず腐っていく。
魔王軍は弱いのではない。
勇者ではなく、「物流」に負けていたのだ。
「魔王様。まず、売場を作りましょう」
主人公が始めたのは、剣の修行でも新魔法の開発でもない。
在庫を整理し、売場を作り、四天王を店長に任命し、ついには魔王城そのものを異世界初の百貨店へ変えてしまう。
やがて人間の商人まで訪れ、敵だったはずの勇者さえ「お客様」として魔王城の扉をくぐる。
すべてが順調に見えた。
しかし、王都へ進出した主人公を待っていたのは、
初日売上ゼロ。
魔王城での成功体験が、まったく通用しない。
そこで主人公は初めて気づく。
バイヤーが本当に見るべきものは、商品でも数字でもない。
「人」なのだ。
失敗し、四天王からも学び、再び立ち上がる元百貨店バイヤー。
そして彼が作った「物を必要な人へ届ける仕組み」は、やがて店を飛び出し、戦場へ。
昨日まで殺し合っていた人間と魔族が、同じ荷車を押し始める。
剣でもない。
魔法でもない。
「いらっしゃいませ」から始まる異世界改革ファンタジー。
世界を変えたのは、伝説の聖剣ではなかった。
一人のバイヤーが作った、百貨店だった。