あらすじ

六十に手が届く年の派遣社員・浩太郎は、突然、派遣契約を打ち切られた。借金も抱えており、将来には絶望しか感じられない。  悪いことが続く現状を何とか変えようと、近くの神社に参拝した浩太郎は、その足で神社の前にある公園を散策する。ところが、突然の雨に降られ、四阿で雨宿りをすることになる。  そこで出会ったのは、二人の少女だった。  一人目は勝気な少女。  失意に打ちひしがれている浩太郎に思いやりのないきつい言葉をぶつけ、浩太郎の気持ちをさらに落ち込ませて去っていく。  もう一人は、心根の優しい素直な少女。  君江と名乗った少女は、子供ながら浩太郎に同情し慰めの言葉をかける。  気を許した浩太郎は、君江と会話し、スマートフォンでオセロやパズルをして遊ぶうち、久しぶりに誰かと過ごす楽しさを思い出していく。  しかし、君江の語る身の上と記憶には、何か違和感が滲み出ていた。それは公園の近くにあった地蔵菩薩像とも関係していた。  人生に行き詰まった男と、長い孤独の中に閉じ込められてしまった少女。  雨宿りのわずかな時間に交わされた二人の交流が、浩太郎の心に小さな変化をもたらしていく。

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カクヨム
カクヨム2026/08/18
  • 現在の作品雨宿り