あらすじ
【妙神仕氏主宰・科学魔法世界観共有プロジェクト『ANMBI』参加作品】
21世紀中頃の日本。
そこに劇的な革命はなく、救世主も現れていない。
社会は今の延長線上にあり、人々は相変わらず悩み、迷い、責任を引き受けながら生きている。
この世界には、「意思を現実に干渉させる技術」が存在する。
脳波BCIを起点とし、AIの構造補完を介して、ナノマシン粒子を群体制御する体系――総称して、ANMBI。
だがそれは、決して万能の魔法ではない。
「燃えろ」「直れ」という結果だけの願望には、AIは決して応答しない。
人間が力学、構造、環境の阻害条件をどこまで立体的に抽象化できるか。
それだけが、この泥臭い粒子を現実の『梁』へと変える唯一の条件だ。
クレーン代わりにナノマシンの梁を組む建築現場の若手。
違法なタグ改変シードの非正規流通を追う、地方警察の生活安全課。
二次災害の崩落現場で、熱や流体を制御する災害救助の職人。
これは、使い古した古い機材を呪い、自分の生活費に頭を痛めながらも、人間の尊厳と社会の均衡を陰から支えるために虚空へ手を伸ばし続ける、職人たちの生活記録(オムニバス)である。