あらすじ
エレノアは、我慢することに慣れていた。
婚約者を愛し、両家の工房も守りたい。
だから、自分の痛みを後回しにしてきた。
婚約者オスカーには、守ると誓った女性がいる。
戦死した親友の婚約者、リディアだ。
彼の善意は、なぜかエレノアの物を選ぶ。
二十歳の誕生日は、リディアを励ます会になった。
母の形見まで、彼女の胸元を飾っていた。
それでもオスカーは、悪いことだと思わない。
やがて彼は、エレノアの持参金に手を伸ばす。
リディアを一生養うためだと言って。
エレノアなら喜ぶと、信じ切っている。
人を思いやることと、自分を失うことは同じなのか。
愛する人の善意が自分だけを傷つけるとき、エレノアは何を選ぶのか。