あらすじ
駆け出しの漫画家である主人公には、大好きな推しがいる。
アイドルグループのメンバー・蓮。
ライブや特典会に行き、ほんの数秒の会話やサインを宝物にしながら、推しの存在を力に漫画を描き続けてきた。
そんなある日の推しの特典会。
いつものように蓮からサインをもらった主人公は、別れ際に思いがけない言葉をかけられる。
「新刊、楽しみにしてる」
自分が漫画家であることも、新刊が発売されることも伝えた覚えはない。
どうして知っているのだろう?
疑問を抱えたまま迎えたのは、主人公にとって人生初の新刊発売のサイン会だった。
「私なんかに会いに来てくれる人、本当にいるのかな」
不安でいっぱいだった主人公だったが、会場にはたくさんの読者が訪れる。
「ずっと会いたかったです」
その言葉を受け取るうちに、主人公は初めて気づく。
自分が蓮に「ありがとう」を伝えたくて特典会へ通っていたように、自分の漫画を大切に思い、会いに来てくれる人たちがいる。
自分もまた、誰かにとっての“推し”なのかもしれない。
そしてサイン会も終わりを迎え、最後の一人がやってくる。
推すことは、一方通行ではない。
アイドルとファン。
漫画家と読者。
“推す人”と“推される人”の境界線がひっくり返る、推し活×夢を描いた物語です。