あらすじ
S気質な敵王×暗殺者の青年。中世ヨーロッパ風ファンタジーBL。
王を殺すために城へ忍び込んだ俺が、その王の専属従者になるなんて――。
都市国家シュタットベルクを支配する凶王クラウス。
その命を狙った暗殺者テオは捕らえられ、処刑される代わりに「王の傍で仕えろ」と命じられる。
昼は従者として王の身支度を整え、政務を支え、常に一歩後ろから付き従う。
けれど夜になれば、二人の間には誰にも秘密の、もう一つの淫らな主従関係が待っている。
「お前は私の所有物だ。私の命令には逆らうな」
冷酷で尊大。それなのに、ふとした瞬間だけ優しさを見せるクラウス。
暗殺者として誰にも屈することを知らなかったテオは、王の言葉に反発しながらも、少しずつその支配に慣らされていく。
名を呼ぶこと。触れられること。調教されること。
最初は屈辱だったはずなのに、いつしかクラウスに求められることが、テオにとって特別な意味を持ち始める。
そして、凶王と呼ばれるクラウスにもまた、テオを単なる所有物では片づけられない感情が芽生えていく。
二人きりの時間、密かに交わす言葉、時に変装して街で過ごす休日――季節が巡るたび、主従の境界は少しずつ曖昧になっていく。
春の花祭り、夏の陽射し、秋の収穫、そして、雪に閉ざされる厳しい冬。
シュタットベルクを彩る季節を共に過ごすうち、二人の関係は、やがてテオの心を変え、そして王自身さえも変えていく。
支配する者と、従う者。
捕らえた者と、捕らわれた者。
――心を奪われたのは、いったいどちらか。
王と青年が十二の月を共に過ごしながら、支配と執着、そして恋へと変わっていく一年の物語。