あらすじ

城壁と断崖の街・ハイブンには、ひとつの噂がある。 ――教会の鐘が鳴った夜、悪党が消える。 正体不明の捕縛屋《福音》。その正体は、孤児たちにスープを振る舞う寡黙な神父、ルーカス・ヴァルカレオンだった。 凍える冬、彼は自分と同じ名を持つ貴族の青年、ルーカス・ライトヴェルトと出会う。 「俺がルークで、お前がルー。ちょうどいい」 明るくお節介で、誰よりハイブンを愛するルーク。貧しい者へ薪を配り、行き場を失った悪党に仕事を与える彼の善意は、多くの人々を救っていく。 やがて人々は、彼を《火種》と呼び始めた。 しかし、一人を暖めるために灯した小さな火は、救いを求める人々の熱狂と憎しみを薪に、ルーク自身の手を離れて燃え広がっていく。 そしてついに、愛したハイブンまでもが炎に包まれる。 雪降る夜、燃える城壁。 街の悪を捕らえる《福音》と、街を救おうとした《火種》。 かつて友だった二人は、それぞれの信念を背負って向かい合う。 「告解はあるか?」 「ねえよ、兄弟」 これは、凍える街を暖めたかった男と、その火を止めなければならなかった友の物語。

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エブリスタ
エブリスタ2026/08/17
  • 現在の作品城壁の火はまだ燃えているか