あらすじ
姉ミラの葬儀の翌朝、カイは世界から彼女の存在が消えていることに気づく。
家族も、友人も、公的記録も、誰一人ミラを覚えていない。
写真からも名前は消え、彼女の部屋さえ「最初から存在しなかった」ことになっていた。
それでも、カイだけは姉を覚えている。
そして手元には、世界が消しきれなかった小さな痕跡が残されていた。
この世界で、人の存在を支えるものは三つ。
《名》――その者の名前。
《痕》――その者が残した記録や痕跡。
《証》――その者を覚えている生きた証人。
世界が「存在しない」と決めたのなら、その判定が間違っていることを証明すればいい。
やがてカイは、世界が隠してきた“十番目の空白”と、人々の存在そのものを裁定する巨大な仕組みに踏み込んでいく。
誰かが存在したことを、誰が証明するのか。
記憶、証言、記録、そして嘘。
「真実」を巡る異世界ミステリー×能力バトルファンタジー。