あらすじ

猟の客を招いた広間で、伯爵は皆の前で笑って申しました。「餌をやるだけの役に手当は要らん」。 否定はいたしません。ただ一つだけ伺いました。——では、鷹が拳へ戻る相手も、どなたでもよろしゅうございますね。 広間が黙りました。 十二年、この家の鷹を据えてまいりました。前の日に食わせすぎれば飛ばず、減らしすぎれば戻りません。風の強い朝は据える時間を短く、客の多い日は放つ順を後へ回す。壁に留められるのは今朝の据えだけで、その日の量りは全部この手の中にございました。 据えの控えは剥がされ、廊下の柱には羽数と人数が貼り出されました。「据えなど、時を決めて一斉でよい」。左様でございますね。 では、十二年ぶんの据えと餌合わせの控えをお返しいたします。秤も拳当ても、壊しも持ち出しもいたしません。 夏のあいだは何も起きません。猟に出さないのですから。冬の猟、風の強い朝に放つと、空は回るのにどの拳へも降りてまいりませんでした。 自分の仕事場を持ったわたくしの前で「戻ってくれ」と仰った伯爵へ、あの問いをそのままお返しするお話。

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小説を読もう2026/08/17
  • 現在の作品「餌をやるだけの役だろう」と伯爵は客の前で笑いました。据えの控えを置いて出ます。冬、鷹は戻りません