あらすじ

国立公文書館で保存修復に携わる桐島蓮は、廃棄予定の箱から一冊の文書を見つける。 紙も、インクも、綴じの痕跡も古い。現物は確かに目の前にある。 ところが、登録簿にも移管記録にも、その文書が存在した痕跡だけがない。 さらに十八年前に事故で亡くなった祖父・桐島誠司も、同じ記録を追っていたことが分かる。 誠司が残したのは、説明のない五つの数字だけだった。 03-17 11-42 19-06 27-31 00-00 蓮が追うのは、巨大な陰謀を告発するための「秘密」ではない。 紙の繊維、押印の位置、消えた閲覧履歴、合わない会計数字、番号が変わった記録の移動経路。 記録は捨てなくても、存在しないものにできる。 ならば――存在していたことを、どう証明するのか。 一人の記録保存担当者が、文書と数字だけを武器に国家記録の空白を辿る、アーカイブ・フォレンジック・ミステリー。

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カクヨム2026/08/17
  • 現在の作品記録削除区域――帝国の空白文書