あらすじ

歴史を紡ぐ者は、こう語る―― 処女王領の叛乱は、たった一人の少女の言葉から始まった。 あの日、その言葉が歴史となることを知る者は、まだ誰もいなかった。 その言葉は―― 数カ月の航海の果てにリアン・レイスが辿り着いたのは、父が二十年前に旅した新大陸に広がる『処女王領』だった。 手にあるのは、その旅をもとに父が書いた一冊の冒険譚。 父の訃報が届いたときにはすべてが終わっていて、少年の手元に残ったのは、この本と鞄ひとつ分の荷物だけだった。 本に描かれた鐘楼も、低い弧を描く橋も、確かにそこにあった。 ただし半分は、水の底に沈んでいた。 火は、生きた時間を覚えている。 だからこの町では、死者を焼き、灰を共同の火床へ返し、そこから新しい火をもらって帰る。 別れ際には「さよなら」ではなく、「またね」と言う。 ——父の本には、そんなことは何ひとつ書かれていなかった。 炎と踊る少女セナ。橋の下の舟でひとり暮らす少年ニム。酒を飲みながら世話を焼く、口の減らないビーバーのポルト。 そして植民から百年目、歴代の総督として初めて自ら海を渡ってきた、王妹ロザリア。 誰も悪意を持っていない。 それでも、町は少しずつ壊れていく。 十五歳の少年少女の小さな決断は、やがて処女王領の未来を変えていく。 これは、水上都市を舞台にした独立戦争と、その先までを描く物語です。 第一章・完結済み(序章+全35話/約十万字)。

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カクヨム2026/08/17
  • 現在の作品処女王領の叛乱