あらすじ

「振り返ってはいけない」と、神は言った。 なぜ振り返ってはいけないのか、神は説明しなかった。 中学校の社会科教師・天野悟、三十八歳。 一年前、誰にも話していない旅を一度している。残ったのは胸の奥の、名前としか言いようのないもの。 ある夜、その名が熱を持った。 ギリシアの冥界へ下る詩人。不死を求めて荒野をさまよう王。 岩に磔にされ、それでも火を渡したことを悔いない巨神。 心臓と羽根を載せる天秤。世界を洗い流した水と、虹の約束。 旅の途中で、悟は気づいてしまう。 ――冥界下りが、洪水が、天と地をつなぐ柱が、なぜ世界中の神話にあるのか。 伝わったからだ、と一度は結論が出る。 だが海を渡れなかったはずの大陸に、まったく同じ物語が待っていた。 隣を歩くのは、自分の名前を知らない少年。 悟が名を呼ぶたび、なぜかその体が、少しずつ透けていく。 そして旅は、世界の終わり――ラグナロクへ向かう。 ◆全12話(14本)+番外編。最終話まで書き上がっています。毎日20時更新、8月31日に完結します。 ◆オルフェウス、ギルガメシュ、プロメテウス、ノアの方舟、ポポル・ヴフ、カレワラ、バルドル、ラグナロク。 ◆前作『教科書には、三行しか書いてない』を読んでいなくても、完全に独立して読めます。

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カクヨム
カクヨム2026/08/17
  • 現在の作品会ったこともない人類が、なぜ同じ神話を語ったのか ―社会科教師、ギリシャ神話から北欧神話まで神々に会いに行く―