あらすじ
あらすじ
2027年、東京。
25歳の黒間空(くろま そら)は、親友の山田海斗と古びたアパートで暮らしながら、日雇いの仕事を転々としていた。
金はない。
将来の希望もない。
政治の知識なんて、ほとんどない。
ある夜、動画配信を始めた海斗に無理やり誘われ、空もカメラの前に立つことになる。
そして、テレビに映っていた政治のニュースを見た空は、ほんの冗談半分で言った。
「だったら俺が総理大臣になって、日本を変えてやるよ」
誰も本気にするはずがなかった。
その配信の視聴者は、わずか17人。
海斗も笑いながら配信を終了した。
――その夜までは。
翌朝。
空が目を覚ますと、海斗のスマートフォンには信じられない数字が表示されていた。
再生回数――数千万。
切り抜き動画は日本中に拡散され、SNSでは空の名前がトレンド入り。
「この男こそ、今の日本に必要だ」
「政治家になってくれ」
「もし立候補するなら、俺は支持する」
次々と寄せられる声。
しかし、当の本人は青ざめていた。
「待て……俺、冗談で言ったんだけど?」
こうして、何の政治経験も持たない貧乏青年・黒間空の人生は、大きく狂い始める。
政治家、記者、企業、インフルエンサー、そして何百万もの国民。
誰もが彼の言葉に注目し始める。
本人だけが知らない。
これは、ただのバズでは終わらない。
冗談から始まった一言が、やがて日本の政治そのものを揺るがすことになる。
――これは、総理大臣になるつもりなどなかった男が、本当に日本を変えてしまうまでの物語。