あらすじ
料理好きの高校生・レンは、貧しい家庭で忙しい両親に代わり、幼い妹の世話をしながら暮らしていた。
「お金がなくても、美味しいものは作れる」
妹に少しでも美味しい料理を食べさせるため、安い食材の使い方、火加減、保存、下処理――料理の工夫を積み重ねてきたレン。
そんなある日。
事故に遭ったわけでもない。
病気になったわけでもない。
神様に会ったわけでもない。
次に目を開けたとき、なぜか異世界で赤ん坊として生まれていた。
転生先もまた貧乏な家庭。
おまけに文明は未発達で、料理といえば「焼く」「煮る」「揚げる」程度。
醤油もない。
味噌もない。
まともな包丁すらない。
――なら、作ればいい。
火魔法で火力を調整し、土魔法でかまどを作り、現代知識でこの世界の常識を次々と覆していくレン。
そして転生後にも生まれた幼い妹が、彼の料理を食べて笑った。
「おにいちゃん、これ、すっごくおいしい!」
その一言から、レンの第二の料理人生が始まる。
安い肉を美味しく。
粗末な食材を御馳走に。
やがて料理は家族を、村を、町を、そして世界を変えていく。
だがある日、レンは世界地図を見て気づいてしまう。
大陸の配置が、あまりにも地球に似ている。
なのに――
**日本だけが存在しない。**
さらに、この世界は「ミズガルド」と呼ばれていた。
神社の家系で育った前世の記憶。
世界各地に残る、日本神話を思わせる奇妙な伝承。
失われた料理。
消された国。
そして主人公自身にも存在しない「死の記憶」。
これは本当に異世界なのか?
なぜ日本だけが消えている?
そして、なぜ自分はこの世界へ生まれ直した?
妹に美味しいものを食べさせたい。
ただそれだけだった少年は、まだ知らない。
自分が再現する日本料理の一皿一皿が――
**滅ぼされた日本と、忘れ去られた神々を蘇らせていることを。**
料理×魔法×日本書紀。
世界を作り直した神々に、一人の料理好きが「待った」をかける。
**これは、料理から始まる日本再生の異世界転生ファンタジー。**