あらすじ
かつて「契約成立率No.1」と呼ばれた敏腕保険営業・如月。過労で命を落とした彼を待っていたのは、天国でも地獄でもなく——邪神からの出向辞令だった。
「我が眷属の伸びが悪くてな。お前の”契約を取る力”、異世界で振るってみないか」
拒否権なしの理不尽な出向。手渡された固有スキルは【保険】。
相手と契約を結び、対価を天引きする代わりに、いざという時に力を”支払う”——ただそれだけの、地味で堅実な能力。
魔物に怯える辺境の村で、如月は今日も声を張り上げる。
「保険はいかがですか」
胡散臭がられ、時に騙りだと詰られながらも、一件一件、丁寧に契約を積み重ねていく。悪徳な契約魔術師ギルド、国境を脅かす戦争、そして邪神自身の思惑——立ちはだかる理不尽の数々に、如月は交渉と誠実さだけで立ち向かう。
派手なチートも、無双の剣もいらない。
必要なのは、信頼できる約款と、裏切らない言葉だけ。
これは、誰も切り捨てなかった営業マンが、異世界で本当の”保険”を築き上げる物語。