あらすじ

一通の手紙で、悪徳商人の契約が覆った。  書いたのは、鍬も持てない十四歳の少年だった。  畑仕事のできない体に生まれたノエは、開拓村で「役立たず」と呼ばれていた。  森の奥で見つけた古い工房。残されていた片眼鏡を目に当てると、読めなかった文字が読めた。  村人の手紙を読み、やがて代わりに書くようになる。  制度も政治も知らないから、依頼人の話を聞いて、そのまま書くだけ。  それだけの手紙が、なぜか次々と人を動かしていく。  噂は村を出て、街を越え、王都まで届いた。  人はいつしか彼を「紙の宰相」と呼ぶ。  けれど彼は、一度もそう名乗っていない。 「まず、お話を聞かせてください。あなたの言葉で」  ただ、目の前に座った一人のために書いているだけだった。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/08/17
  • 現在の作品ノエの代筆帳 ~宛先までは考えました。その先までは、考えていませんでした~