あらすじ
魔族と人間。
魔王と勇者。
二つの血統は、何百年にもわたって戦い続けていた。
魔王を倒す勇者が現れれば、新たな魔王が生まれる。
勇者が討たれれば、その子や弟子が新たな勇者となる。
終わりのない戦争。
その中心にいるのが、初代魔王ゼルヴァンと魔女王リシェラの一族、そして勇者アルトス家だった。
だが、魔王家には一つの秘密があった。
魔王家と勇者家には、古代から刻まれた特殊な因果。
敵対血統《エネミー・コード》
互いを倒すことで、両家の力が増幅されるという、戦争そのものを維持する仕組み。
やがて魔王家の子供たちは成長し、五天王として戦場へ向かう。
次女が最初に勇者に討たれ。
次男もまた命を落とし。
そしてついには魔王までもが倒される。
残された魔王女は、臨時の魔王として玉座に座ることになる。
しかし、その子供たちの世代。
さらに、その子供たちである孫世代。
そしてひ孫世代。
少しずつ何かが変わり始めていた。
最高位の一貫校だけで学んできた魔王家。
その伝統から外れ、一般の学校へ進む子供たち。
そこで出会う人間。
勇者の血を引く者。
エルフ。
ダークエルフ。
獣人。
ドワーフ。
竜人。
そして、戦争によって人生を狂わされた普通の人々。
戦うために生まれたはずの子供たちは、やがて気付いていく。
「僕たちは、本当に戦わなければならないのか?」
これは、魔王を倒す物語ではない。
勇者が魔王を倒す物語でもない。
何百年も続いた戦争を、
次の世代が終わらせていく物語。