あらすじ
過労死した青年、如月冬真は、異世界へ転生した。
そこで与えられたのは、無限の魔力。
そして――地球に存在した物資・兵器・車両・工場・住宅・航空機・艦艇・医療設備・農業設備・通信設備・鉄道……ありとあらゆるものを召喚できる、規格外の能力だった。
「これ、もしかして……地球文明そのものを持ち込めるんじゃないか?」
冬真が最初に目をつけたのは、世界地図にも載っていない巨大な群島。
総面積、約三十八万平方キロメートル。
人間の国家は存在しない。
都市もない。
道路もない。
港もない。
いるのは、魔物とダンジョンだけ。
完全な未開の大地だった。
冬真はそこを――自分だけの国の始まりにする。
最初は全自動。
鉱山も、製鉄所も、発電所も、農場も、工場も、倉庫も、建設機械も、すべて召喚した設備に任せる。
しかし、ある日。
奴隷として売られ、家族から捨てられ、居場所を失った少女たちと出会う。
冬真は彼女たちを救い、教育を与え、魔法・科学・軍事・経済・工学を教えた。
やがて少女たちは「ヴェイル・コンコード」と呼ばれる秘密組織へ成長していく。
表向きの顔は巨大企業。
鉄道会社。
物流会社。
鉱業会社。
製造会社。
建設会社。
商社。
医療企業。
農業企業。
航空・海運会社。
だが、そのすべては――
世界に存在を知られてはいけない秘密組織のための「仮面」にすぎない。
そして組織の中枢を担うのは、八人の「ヴェイル」。
彼女たちは、それぞれ産業・金融・軍事・研究・農業・医療・鉱業・物流などの巨大部門を統括する。
昼は商人、技師、教師、研究者、経営者。
夜は魔法と最新兵器を操る秘密工作員。
「鉄道網、完成しました」
「工場の生産能力を三倍にします」
「新型魔導機関の実験に成功しました」
「敵国が国境に軍を集結させています」
そんな報告を聞きながら、冬真は今日も頭を抱える。
――俺はただ、静かに暮らしたかっただけなんだけどな。
魔法と剣の世界に、地球文明を丸ごと持ち込んだ男。
未開の群島から始まる、異世界文明開化。
鉄道、工場、農業、医療、軍事、商業、魔法科学。
そして、彼を中心に集まった少女たち。
これは、一人の転生者が「国」を作り、やがて「文明」そのものを築いていく物語である。