あらすじ

高校生活も残り二週間。卒業式を待つだけだった瀬尾奏多は、校内放送で第二音楽室へ呼び出される。 そこにいたのは、幼なじみであり、高校一年の終わりまで付き合っていた元恋人・白石莉音だった。 合唱部部長の莉音が奏多に頼んだのは、急遽弾けなくなった生徒に代わって、卒業式の合唱伴奏を務めてほしいというもの。 奏多は、莉音と別れてからピアノをやめていた。 嫌いになったからではない。 鍵盤に触れれば、二人で過ごした時間まで思い出してしまうから。 「最後に一回だけでいいから、一緒にやってほしい」 その言葉に押され、奏多は二年ぶりに鍵盤へ触れる。 久しぶりのはずなのに、莉音の呼吸も、歌い方も、合わせるタイミングも体が覚えていた。 終わったはずの関係。 忘れたつもりだった音楽。 卒業まで、あと二週間。 「卒業式まで」という期限付きで再び始まった二人の時間は、少しずつ止まっていたものを動かしていく。

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小説を読もう2026/08/17
  • 現在の作品君と奏でる最後の曲