あらすじ

“この宇宙はやがて生を失う” それは進化を極めたリレイ種族が導き出した余にも残酷な結論だった。 その“生”は、途方もない努力や奇跡で受け継がれ、そんなバトンを途絶えさせる訳にはいかない…それがリレイ種族の責務だと結論付けていた。 そして、あらゆる角度から導き出した答えが“高次元への進化”であった。 しかし、科学の粋を結集し、途方もない試行錯誤を繰り返しても、その答えに辿り着くことはできない。 もしかすると―― 「正解など存在しないのではないか。」 そう考え始めた時、一つの可能性に行き着く。 リレイ種族は、宇宙が誕生した瞬間にまで思考を遡り、生命や物質が存在する以前の「何もない空間」に現れた、微かな“揺らぎ”に着目する。 そして、その揺らぎを解析する過程で、リレイ種族が進化の代償として失ったもの…“感情”との奇妙な類似性を見出す。 喜び、悲しみ、怒り、恐怖、愛情。 それらは一見すると非合理的で、宇宙の法則とは無関係に思える。だが、もし感情という現象の中に、リレイ種族が失った「何か」が存在するのだとしたら…そして、その“何か”が高次元へ至るための鍵なのだとしたら…。 レインは感情を解析する最良の対象として、地球人に目を向ける。適合者として選ばれたのは、ごく普通の大学生、ユウリ。 ユウリと生活を共にする中、そこで待っていたのは、レインの想像を遥かに超える、地球人の不可思議な行動と感情だった。 合理的ではない。効率的でもない。時には愚かで、矛盾していて、それでも誰かのために行動する。 レインはユウリとのそんな日常を通して、地球人という生命体を観察していく。しかし、地球での生活は単なる研究では終わらなかった。 殺人事件に巻き込まれ、未知の知的生命体と遭遇し、異世界へ足を踏み入れ、さらに地球に潜伏する地球外生命体の存在まで明らかになっていく。 そしてレインもまた、地球人を研究するだけでは説明できない感情を、少しずつ自分の中に見つけ始める。 宇宙を救うために始まった研究。その答えを探す旅は、いつしか…。 これは、宇宙の未来を変えるために地球へ降り立った一人の超知的生命体と、彼女に選ばれた一人の大学生が織りなす、予測不能なSFアドベンチャー。

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カクヨム2026/08/17
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