あらすじ
七つの聖獣が世界を創った――。
炎をもたらした不死鳥。空を切り拓いたグリフィン。自然を育てたキツネ。大海と河川を生んだ巨大な水蛇。大地を支えたウルリクムミ。法と叡智を授けた麒麟。そして、愛と平和を人々の心へ届けた聖獣。
それは、アレン・ヴェイレンが幼い頃から母に何度も聞かされてきた、この世界で最も古く、最も有名な創世の物語だった。
人間、エルフ、獣人、竜、天使、悪魔、吸血鬼、人魚、ハーピー、ラミア――数え切れない種族が暮らす広大な世界。その片隅の小さな村で育ったアレンは、いつしか一つの夢を抱くようになる。
――いつか、この目で七聖獣すべてに会ってみたい。
二十一歳になったアレンは、長年母から教わった剣術と魔法を携え、生まれ育った故郷を離れる。
果てしない草原。魔物の潜む深い森。灼熱の火山地帯。雪に閉ざされた山脈。人ならざる者たちが暮らす都市。そして、水平線の彼方まで続く大海。
旅の先でアレンを待つのは、幼い頃に思い描いた美しい伝説だけではない。
各地で広がる不可解な事件。
闇の中で暗躍する謎の組織。
そして、歴史の裏側に隠された、聖獣たちさえ語ろうとしない過去。
仲間と出会い、傷つき、時に大切なものを失いながら、アレンは少しずつ世界の真実へ近づいていく。
その旅はやがて、自分自身が何者なのかという問いへと繋がっていくことになる。
これは、七聖獣を探す一人の青年が、愛する者たちと共に世界を巡り、受け継がれた運命と向き合っていく物語。
そして――誰もが知る創世の伝説の裏に隠された、もう一つの物語である。