あらすじ
苦節8年。剣と魔法の異世界で魔王を倒し、最強のチート能力を手にして無双した勇者・鏑木璃空(かぶらぎ りく)。
転生の女神との契約を果たし、念願の地球へと帰還した彼は確信していた。この力があれば、現実世界でも無双できる、と。
しかし——現実は甘くなかった。
通り魔から女性を助けようと叫んだ大技は不発に終わり、生身の体にあっけなくナイフが突き刺さる。
「え……能力が、出ない……!?」
死んだはずの璃空が次に目を開けたのは、帰還した直後の「雨の交差点」だった。
誰かが死ねば巻き戻り、助けに行けば自分が殺されて巻き戻る。
前に進む唯一の条件は、力なき生身の体で「誰も死なせずに事件を解決すること」。
チート能力を失い、ただの人間に戻った璃空。
それでも捨てられない「人々を救いたい」という善意とプライドが、彼を終わらない絶望の死のループへと引きずり込んでいく。
理想と現実の残酷なギャップの果てに、彼を待ち受ける結末とは——。