あらすじ

「十七年、お前は子を成さなかった」

朝の食卓で、パンを切りながら、王はわたくしを離宮へ移すと仰いました。侍女のロゼッタが身籠ったから、と。

わかりました。いつ発てばよろしいでしょう。

——ただ、皆さまおひとつだけご存じありませんの。

この国の王妃紋章は、装飾品ではございません。国庫と神殿と各領主の署名権を束ねる、血の魔術認証。わたくしの血に紐づいたそれは、他人が持てば、ただの銀の飾り。

引き継ぎの手引きは、九十六頁、書いて置いてまいりましたわ。読まれるかどうかは、存じませんけれど。

翌週から、国庫の支払いが、一件も通らなくなりました。

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アルファポリス
アルファポリス2026/08/16
  • 現在の作品離縁されましたので、王妃の紋章はただの飾りになります