あらすじ
『魔導天蓋のアストラルム』のあらすじ
家柄ではなく、純粋な実力によって生徒の価値が決まる世界最高峰の学び舎――アストラルム魔導学院。
そこに遠い地から転入してきた白銀の少年ギルザレムの目的は、名声でも栄誉でもなく、ただ成り行きのまま試験を受け、できるだけ自由にスローライフを過ごそうとしていただけだった。
しかし、入学時の実力測定で事態は一変する。
学院の最高位であるZランクまで一瞬で到達した測定晶は、それでもギルの力を捉え切れず、《計測上限超過》を示して停止。続く実技試験でも、ギルは規格外の力を振り回すことなく、標的の機能だけを正確に断ち切ってみせる。
さらに、彼の肩にいる存在の正体が、世界に七体しか存在しない《七大厄災》の一角――《暴食の悪魔》パンデモニウムだと判明する。だが、恐るべき伝承とは裏腹に、パンデモニウムが求めるのは戦いではなく食事ばかり。
既存の階級ではギルを正しく評価できないと判断した学院長エルド・アストラルムは、ランク体系の外側に新たな特別階級《EX》を設けることを提案する。
授業の一部免除や特別施設の利用権と引き換えに、学院が危機に直面した際には話を聞くこと。それが、二人の間で交わされた約束だった。
こうして学院史上最初のEXとなったギル。
だがその頃、学院の外では魔獣たちが一斉に縄張りを捨て、正体不明の何かから逃げ始めていた…。
これは、世界の天井を知らぬ少年が、やがて魔王、神、異次元、そして存在そのものの階層を越えていき、自分たちの居場所を見つけていく物語である。