あらすじ
世界中で、マナが枯れ始めている。
それでも国の帳簿には、「まだ十分な備蓄がある」と記されていた。
存在しない固有能力と監査権限を騙り、不正に奪われたマナを勝手に返した元監査官は、資格詐称と公的マナ強奪の罪で処刑されようとしていた。
ところが処刑直前、彼は気づく。
――自分を殺すための「処刑費」まで横領されている。
「俺にはマナの流れが見える」
もちろん、大嘘だ。
本当に使えるのは、帳簿を読む目と、現場の違和感を拾う観察力。そして、追い詰められるほどよく回る口だけ。
金と美人と美味い飯が大好きな嘘つき監査官は、盗まれたマナを取り返すたび、さらに大きな嘘と事件へ巻き込まれていく。
しかも彼が暴く不正の裏には、世界そのものを覆う巨大な粉飾が隠されていた。
固有能力は嘘。暴いた不正は本物。
世界を救う気なんてない男が、世界から盗まれたものを取り返す物語。