あらすじ
王立魔導具院の上級魔導技師リディアは、皇帝臨席の品評会で同僚の防犯結界を無断改良した罪に問われ、王都を追放される。
──ただし、冤罪ではない。
研究室へ勝手に入り、装置の性能を向上させたうえで、皇帝の頭上にミラーボールを出し、祝賀曲を流し、三連クラッカーまで撃ち込んだのは本当に彼女だった。本人は「性能は上がりました」と今ひとつ反省していない。
そんな問題技師が一年間の奉仕婚で送られたのは、冬に暖房炉が止まれば命に関わる北境。ところが夫となる北境伯カイは、リディアの改造癖を頭ごなしに否定せず、「やる前に持ち主へ聞け」と教えながら、その規格外の技術を必要としてくれる。
頼まれて直すこと、人と相談して作ることを知り、北境を自分の居場所にしていくリディア。
やがて王都から届いた新型暖房炉に、北境でだけ起こる致命的な欠陥を発見する。そしてかつて彼女を北境へ追いやろうとしていた元同僚にも、思いもよらない形でその結果が返ってくることになる。