あらすじ
王都の騎士団で活躍していた女騎士、ルイナ・ランカスター。
優れた武勇と指揮能力を持ちながら、理不尽な理由で命じられたのは──遠く離れた東北辺境への左遷だった。
だが、規律を重んじるルイナは腐らない。
辺境であろうと、守るべき民がいることに変わりはない。
そうして赴任した彼女を待っていたのは、指揮系統は滅茶苦茶、連携も取れず、問題児まで抱えた、とんでもない騎士団だった。
「……どうやら、一から叩き直す必要があるようね」
愛用の鞭を片手に、怠け者には指導を。規律違反者には容赦のないおしおきを。
こうしてルイナによる、辺境騎士団の改革が始まった。
──ところが、問題は騎士団だけではなかった。
娘の左遷を心配した父が、辺境に住む旧友へ話を通した結果、ルイナは武術家の青年ハオラン・ホンと結婚することになっていた。
しかもハオランは、困っている者を見れば放っておけず、自分一人で何でも背負い込もうとする筋金入りのお人好し。
「まったく、あなたという人は……目を離すと、すぐにこれなんだから」
恋愛感情などない、親同士が決めただけの夫婦。
そのはずだった。
共に暮らし、食卓を囲み、時には背中を預けて戦ううち、二人の間には少しずつ本物の信頼が芽生えていく。
さらに、ハオランを奪おうとする女と、ルイナを手に入れようとする男まで現れて──。
左遷された女騎士が、問題だらけの騎士団も、夫に近づく悪女も、自分を所有しようとする侯爵もまとめて叩き直す!
そしていつしか、追いやられたはずの辺境は、彼女にとってかけがえのない場所へ変わっていく。
これは、居場所を奪われた女騎士が、新たな土地で仲間と家族を得て、自分自身の手で幸せを選び取る物語。