あらすじ

いつかの夜、僕は不思議な夢を見る。 真っ暗な空をスクリーンにして、僕の人生のあらゆる場面が映し出されている。保育園の砂場、小学校の運動場、高校の森、大蔵海岸――そこにはいつも、僕と「僕じゃない誰か」がいた。 夢の中で僕は、自分の人生を振り返る。どの場面にも二人分の足跡が残されていた。しかし、人生で最も辛く苦しい時期だけは、足跡がひとつしかない。 僕は「誰か」に問い詰める。 なぜ、一番助けてほしかったときに、そばにいてくれなかったのか。 黙っていた「誰か」は、やがて僕の耳元で答える。 「そばを離れたことなんて、一度もない」 その言葉の意味を知ったとき、僕は人生の記憶を、これまでとはまったく違う形で見つめ直すことになる。 そして最後に映し出されたのは、ひとり分の足跡ではなかった。 「僕じゃない誰か」が僕を背負い、波打ち際を歩いている姿だった。

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カクヨム
カクヨム2026/08/16
  • 現在の作品砂上の足跡