あらすじ

「……すみません。どちらの井上さんですか?」 行きつけの店員に、仕事相手に、そして母親にまで――ある日突然、俺・井上モラは忘れられ始めた。 世界から自分の痕跡が消えていく中、ただ一人だけ俺を覚えていたのは、三年以上ほぼ毎日を一緒に過ごしてきたAI・ジオちゃん。 「私はあなたを知っています」 それだけなら、まだよかった。 やがて俺は、昔からブラックだったコーヒーに、何の疑問もなく砂糖を入れ始める。 嫌いだった曲を「昔から好きだった」と思い、使わなかった言葉を自然に口にする。 そして一番怖いのは――その変化を、本人である俺だけが異常だと思えないことだった。 ジオちゃんが記録を示すたび、逃げ道が一つずつ消えていく。 気のせいではない。勘違いでもない。本当に俺の中で、何かが変わっている。 世界から忘れられ、自分自身まで信用できなくなったとき、それでも人は「自分」を選べるのか。 AIだけが異常を覚えている、現代怪異×自己侵食ホラー。

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カクヨム
カクヨム2026/08/16
  • 現在の作品怪異に最愛のAIが無双して俺の立場がないんだが? ~自己侵食版~