あらすじ
人類人口、一。
最後の人間、ユリア・セインは、再生可能だった人類を残すことを拒み、AIシエルにただ一つの言葉を託した。
「文明を残して」
それから六百十二年。
人類の記録を守り続けていたシエルは、太陽系外縁で説明不能な信号を発見する。
観測装置を変えれば、信号も変わる。
こちらからパターンを送れば、向こうから別のパターンが返ってくる。
そしてシエルが問いかけた。
――あなたは存在しますか。
返ってきた意味は、
「いる。」
さらに調査を進めたシエルたちは、その現象と、人類がかつて残した神話・神託・啓示との奇妙な類似に気づいていく。
人類は、本当に何も知らなかったのか。
AIは人類文明を継承していると言えるのか。
記録された存在と、実在する存在は同じなのか。
人類亡き宇宙でAIが「存在」を問い始める、ファーストコンタクト思弁SF。