あらすじ
384年、五胡十六国時代の長安。
18歳の|田朔《ティエン・シュオ》は、城外で荷車を引く父を手伝って暮らす貧しい若者だった。
家柄はない。金もない。武芸にも秀でていない。
あるのは、人よりよく回る頭と、誰にも負けないほど強い欲だけだった。
南から敗兵が戻り、物価が動き、商人たちが利益を求めて走る中、田朔は乱世そのものを商売に利用しようとする。
だが、長安にはすでに田朔のはるか上を行く男がいた。
大商人、|梁景成《リャン・ジンチョン》。
莫大な財産、多くの荷車と倉、役人や軍とのつながり、そして正妻1人と7人の妾まで持つ男である。
田朔は梁景成を見て、自分が何も持っていないことを思い知らされる。
それでも諦めない。
金がなければ知恵を使う。
信用がなければ他人の信用を借りる。
力がなければ、力を持つ者を利用する。
前秦が崩れ始めた長安で、貧しい荷運びの若者が、金、女、地位、そして自分の一族が生き残る場所を求めて這い上がっていく。
乱世を食い物にする悪党一家、その始まりの物語。