あらすじ
人も形ならざるものも、此の世に在りし命にして、等しきもの。
時は平安。
帝により治められた時代、民は穏やかに暮らしていた。
されど、人の世に寄り添い、ときに災いをもたらすものたちもまた、此の世に在り。
そんな時代に、平和を願った神は、七つの一族に、舞により発動する力を授けた。
それぞれが特有の花咲く土地に暮らしていたことから、その花の名を冠した舞が生まれた。その代わり、一族ごとに異なる代償が与えられる。
だが、それもまた宿命。
舞による力は民のためにあるものとして、大切に扱われ、代々受け継がれていった。
やがて民からは、舞一族、七神家と呼ばれ、崇められるようになる。
しかし、それをよく思わない民も、また、この世ならざるものもいる。
そんな此の世で、危険を顧みず、隠れもせずに七神家は互いを守り合う。
そんな謎多き七神家の中でも、最も強き「萩の舞」を受け継ぐは、榊(さかき)家。
民の残せし憂ひを解き放ち、また新たな運命を与える「萩の舞」。
その力を受け継ぐ榊家の末子、榊 継世。(つぐよ)
何不自由なく家族に囲まれて育った継世は、兄たちがそれぞれの道を歩み始める中で、自分だけの「役目」を探し始める。
そんなある夜、継世は...
見えるはずのないものと出会う。
これは、人と形ならざるもの。そして、その狭間にある憂ひを巡る物語である。