あらすじ
戦争は嫌いではない。
ただ、昼寝の邪魔になるので、できれば遠くでやってほしい。
宿場町の水車小屋で気ままに暮らしていたレオンは、帝国軍に敗れたエルディア王国軍と遭遇する。
率いるのは、小柄で短気な王女将軍セレスティア。裏切りによって三千の兵を千八百まで減らし、なおも負傷者を見捨てず王都への帰還を目指していた。
北街道に待ち伏せる帝国軍。西の旧鉱山道を塞ぐ別働隊。そして、王都で密かに進行するクーデター。
昼寝へ戻りたいだけだったレオンは、わずかな情報から敵の策を見抜き、敗軍を救うため戦場へ足を踏み入れる。
普段は目立たず、責任を避け、何事にも本気を出そうとしない。
しかし、その胸中に描かれた策は、誰にも見えていなかった戦場の姿を次々に暴き出していく。
正反対の二人が出会ったとき、滅びかけた小国の運命は動き始める。
これは、責任から逃げ続けた怠け者の軍師が、セレスティアの隣から離れられないまま、やがて大陸の運命を変えてしまう物語。