あらすじ
とある地方都市の高校、美術部。
高校一年生の牧綾乃は、優しく人当たりのいい普通の女の子――ただし、恋バナが大好きで、他人の恋愛事情にはやたらと鋭い。
そんな綾乃は、ある日を境に、先輩たちの恋愛事情に巻き込まれていく。
高校三年生の海藤恵斗は、引退後に図書室で受験勉強をしながら、時々美術室に顔を出す。元カノ・水上杏奈とは一ヶ月ほどで別れ、「もう無理、疲れた」と距離を置いている。
そんな恵斗が現在好きなのは、同じ美術部の三年生・森本環。
その秘密を知っているのは、なぜか綾乃だけ。
一方、杏奈は恵斗への未練を捨てきれず、綾乃に「恵斗先輩って、綾乃のこと好きなの?」と何度も尋ねてくる。
恋愛相談を受けるたび、綾乃は鋭い観察力で状況を分析していく。
けれど――自分自身が恋愛の当事者になる可能性だけは、まったく考えていなかった。
親友の北川すず、マイペースな中川琉生、綾乃と仲のいい陸上部の松寺優太。
さらに、トラブルを起こしては逃げる問題児・広沢佑。
毎晩のグループトークでは、恋バナに、愚痴に、部活の事件に、広沢のやらかしまで話題は尽きない。
恋も友情も秘密も、少しずつ形を変えていく。
笑って、悩んで、すれ違って。
誰かの恋が終わるたび、また別の誰かの恋が始まる。
これは、そんな高校生たちが過ごす、少し騒がしくて、少し切ない青春群像劇。
今日も美術部は――たぶん平和じゃない。