あらすじ
「その話、最後まで聞いてはいけない――」
1990年、かつての炭鉱の街・北海道夕張市。
オカルトの嘘を暴くことに執着するポッドキャスターの江戸は、古書から消されたはずの禁忌の怪談『牛頭(ゴズ)』の断片を見つけた大学生のエミと共に、ある男を訪ねる。
男の名は、レン。かつて『牛頭』を聞いた全員が狂死したとされる「スクールバス失踪事件」の唯一の生き残りだ。
声を失い、壁一面に不気味な「牛の頭」を描き続けるレン。
二人が事件の真相に近づくにつれ、江戸の日常は壊れ始める。
文字が読めなくなる。無機物の鼓動が聞こえ始める。空は肉の色に染まり、黒い雪が降り注ぐ。
それは単なる都市伝説ではない。
一度聴けば脳を侵食し、世界の認識を塗り替えてしまう「言語のウイルス」だった。
「牛頭」が完成する時、世界は地獄の門を開く。
エドは失われていく五感の中で、究極の選択を迫られることになる。
呪われた物語の「最後の一行」に隠された、あまりにも残酷な真実とは。