あらすじ
時は大正。文明開花の帝都には、蒸気仕掛けの自律人形(オートマタ)が
溢れていた。煙草や新聞を売り、給仕を行う、よくできた機械の人形たち。
だが、その少年がつくる人形だけは、街の者からこう囁かれていた。
「あれは、ほんとうに生きておる」と。
少年の名は、御影灯真(みかげとうま)。
下町の人形工房を営む人形師にして、安倍晴明より三十三代を数える
陰陽師の末裔。そして、人形に付喪神の魂を宿すことのできる、
帝都でただ一人の男である。
ある夜、工房を訪れた「内務省の使い」と名乗る男。
その来訪を境に、灯真は千年前に封じられた古の妖と闘い、
それを解き放った何者かの影を追うことに――