あらすじ

赤いツインテールで、私は教室に戻ってきた。 留学していた一年のあいだに、同級生が一人、死んだらしい。親友でもない、名前くらいしか知らない子だった。それでも私は、その子のことを聞いて回っている。 ――復讐ではない。怒ってもいない。ただ、知りたいだけだ。あの子に何があったのか。そして、なぜ誰もが、何事もなかったように笑っていられるのか。 いじめは、とっくに終わっていた。加害者も、被害者も、もういない。教室は、こわいくらいに平穏だった。 誰も、悪人はいない。誰も、嘘はついていない。 なのに、一人の女の子が消えて、誰も、それを覚えていない。 人は、何に支配されるのか。 これは、断罪も救済もないまま、ただ静かに机の数をかぞえた、ひとりの記録。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/08/15
  • 現在の作品三十九