あらすじ
私、趙氏貞は、普通の女です。
天下を取りたいわけでも、戦場で名を上げたいわけでもありません。
恋愛にはどうしようもなく鈍く、男から好意を向けられても「親切な人だな」で終わるため、二十を過ぎても処女です。
ただし昔から、妙に面倒事を拾います。
そして私が面倒事を拾うと、幼馴染みの呂清河が飛んできます。
「氏貞! また何やったの!」
清河は私のツッコミ役で、暴走を止めてくれる常識人――のはずなのですが、事情を聞くと私より怒り、相手を問い詰め、逃げ道を塞ぎ、最後には「そこまでやるつもりじゃなかったんだけど」というところまで話を大きくします。
火事場へ水を持ってくる顔で油を持ってくる女です。
しかも清河も処女で、恋愛には私と同じくらい鈍い。
そんな二人が呉の役人と揉めました。
最初は、本当にそれだけでした。
ところが役所が燃え、仲間が増え、武器が集まり、山へ逃げ込み、気がつけば私は反乱軍の頭領として象に乗っていました。
なぜ――
こうして九真郡を揺るがした私たちの前に、呉から討伐将軍・陸胤がやって来ます。
兵力でも知略でも向こうが上。
それでも故郷を守るため、私は清河と最後まで戦うつもりでした。
ところが陸胤には、とんでもない伝説が残っています。
私が裸の男を嫌うと知り――兵士を全裸にして突撃させたというのです。
待って……
私、男嫌いじゃない……
裸の大軍が嫌なだけ……
巻き込まれ体質の普通の女と、火に油を注ぐ幼馴染み。
二人が始めてしまった反乱は、やがて三国時代でも屈指の最低な決戦へ向かっていきます。
象の上から見えた敵軍は――全裸でした。
あなたたちの象さん丸見え……