あらすじ

王都から離れた寂れた街エルディア。その路地裏に、看板一つを掲げた小さな古道具店がある。 店主の名はカイン。かつて王都で《神の手》と称えられながら、今は《心のない修復師》と呼ばれる青年だ。 彼には、物に触れると、そこに残された「記憶」を読み取ってしまう特殊な力があった。 その力ゆえに他人の人生の傷跡まで覗いてしまい、ある出来事をきっかけに人との関わりを断ったカインは、壊れた物だけを相手に静かに暮らしていた。 だが、ある嵐の夜。 店の奥で見つけた古びたオルゴールが、彼の静かな日々を変える。 壊れているはずのオルゴールがひとりでに旋律を奏で、その光の中から現れたのは、自分が何者なのかさえ思い出せない少女――リコ。 しかも彼女には、あるはずの「影」がなかった。 そしてリコの出現を境に、カインのもとには不思議な古道具と、そこに残された「忘れられた記憶」が集まり始める。 七枚の花弁の紋様。 謎めいた白い獣。 炎に包まれた街。 そして、記憶の中で響く少女の声。 ――忘れないで。 壊れた物しか信じなかった修復師と、過去を失った少女。 これは二人が古道具に残された記憶をたどりながら、歴史から消された過去と、それぞれの「失ったもの」を少しずつ取り戻していく物語。

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小説を読もう2026/08/16
  • 現在の作品『異世界古道具店 ― 壊れたものの記憶、直します ―』