あらすじ
不倫を題材にした小説で知られる作家・秋月琴音。
ある日、彼女の養父母が突然姿を消した。
残されていたのは、二人が並んで映る一本の動画。
「あなたのせいではありません」
「しばらく、私たちを探さないでください」
事件性は薄い。
それでも琴音は、二人の安否を確かめてほしいと黒崎探偵事務所を訪れる。
そして、もう一つの調査を依頼する。
二十七年前。
琴音の実母・立花絵理は、不倫相手だった男性とその妻を死なせた容疑で逮捕され、裁判を迎えることなく病死した。
琴音はずっと、「夫婦を殺した女の娘」として母を理解してきた。
だが、養父母の失踪を追ううちに、古い新聞記事には残らなかった事実と、家族が長いあいだ語らなかった時間が少しずつ姿を現していく。
母は、本当にどんな人だったのか。
二十七年前、何があったのか。
そして、なぜ父と母は今になって姿を消したのか。
過去を訂正することは、過去を消すことではない。
一つの事件、一つの家族、そして「加害者の娘」と呼ばれる人生をめぐる。
黒崎探偵事務所シリーズ第七作。