あらすじ
高校二年の春、写真部の宮代のクラスに、谷澤梢という美しい転校生がやってくる。整いすぎた顔、わずかに遅れて作られる笑顔───なぜか彼女には、人を本能的に遠ざける奇妙な違和感があった。
「ちゃんとできてるか、見てほしい」
そう頼まれ、宮代は放課後の彼女を撮り始める。写真を重ねるうち、二人は少しずつ距離を縮めていく。しかし宮代は気づいてしまう。谷澤の顔が、日を追うごとにクラスメイトたちへ似ていっていることに。
そして辿り着いた三年前の事故記事には、すでに死亡したはずの少女──「谷澤梢」の名前が記されていた。
彼女はいったい誰なのか。
人間らしさとは、いったい誰が決めるのか。
一人の少女の「普通になりたい」という願いと、少年の淡い恋を描いた、青春と恐怖の境界が静かに溶けていく学園ホラー。