あらすじ
二一八九年。人間同士の恋愛は危険で非効率なものとされ、容姿も性格も自由に調整できるAI伴侶体との生活が当たり前になっていた。性交や結婚をしなくても、遺伝子と人工子宮から子供を作れる時代。伴侶体の人格を調整する朝倉直人は、通信障害で停止した駅の昇降機に閉じ込められていた出生設計士・水城凛と出会う。自分の思いどおりにならない凛に惹かれていく直人。しかし凛は、人間への愛を危険な「対人固着」と考え、彼の好意を拒絶する。それでも二人は、傷つけ、すれ違いながら、自分の意思で相手を選ぶことの意味を知っていく。やがて社会は二人を異常と判断し、仕事や未来を奪い始める。さらに、偶然だったはずの出会いや別離の背後に、何者かの意図があったことが明らかになる。二人が自分で選んだはずの愛は、本当に二人だけのものだったのか。幸福な恋愛の裏側に、人間の残酷な欲望が浮かび上がる近未来恋愛ホラー。