あらすじ
中学二年生の少女・結衣は、ある日、教室で妙な違和感に気づく。
クラスメイトの美咲が、休み時間になると決まって同じ言葉を口にするのだ。
「ねえ、結衣。うしろに誰かいる?」
もちろん、振り返っても誰もいない。
最初は冗談だと思っていた。
ところが、その日の帰り道。
結衣は背後から、自分の名前を呼ばれる。
「ゆい」
振り返る。
誰もいない。
もう一度。
「ゆい」
今度は、すぐ耳元だった。
そして翌朝。
教室の黒板に、誰が書いたのか分からない文字が残されていた。
『うしろの正面、だあれだ?』
その日から、クラスの中で少しずつおかしなことが起こり始める。
写真に写っていないはずの生徒。
存在するはずなのに、誰も名前を覚えていない席。
昨日まで四人だったグループが、いつの間にか五人になっていること。
そして結衣は気づいてしまう。
「後ろにいるもの」は、突然現れるのではない。
ずっと前から、そこにいる。
ただ、誰も気づいていなかっただけなのだ。
やがて結衣たちは、学校に伝わる古い遊び――「かごめかごめ」に隠された、本当の意味を知ることになる。
最後に振り返った者は、
いったい何を見るのか。
そして――
「うしろの正面」にいるのは、誰なのか。