あらすじ
アルヴェリア王国には、奇妙な歴史がある。
数百年にわたり、王国を揺るがす事件が起きるたび、その中心には一人の令嬢がいた。
人々は彼女たちを――「悪役令嬢」と呼んだ。
王族への反逆者。
殺人犯。
禁忌魔法の使い手。
国家を滅ぼそうとした女。
時代が変わっても、悪役令嬢は必ず同じ家系から生まれ、そして必ず処刑される。
なぜ、同じ家系なのか。
なぜ、時代が変わっても一人だけなのか。
そして――なぜ、彼女たちは必ず「悪役令嬢」になってしまうのか。
その答えを、誰も知らない。
やがて、その家系に生まれた一人の少女、エルディア・ヴァレンティア。
幼い頃から「いずれ悪役令嬢になる」と噂されてきた彼女は、そんな運命を笑い飛ばしていた。
しかしある日、王国大記録院で発見された一枚の記録が、彼女の日常を変える。
そこに記されていたのは――
まだ起きていない事件だった。
誰が書いたのか。
なぜ未来の出来事が記録されているのか。
そして、その記録に記された人物の中には、エルディア自身の名前があった。
事件、怪異、殺人、密室、偽りの証言、改竄された記録、そして魔法。
エルディアは仲間たちとともに、不可解な事件の真相を追っていく。
けれど、事件を一つ解決するたびに、彼女は気づいていく。
目の前の謎よりも、もっと恐ろしい謎があることに。
――「悪役令嬢」という存在そのものが、何者なのか。
これは、悪役令嬢になる少女が運命に抗う物語ではない。
彼女自身が謎を解き、
一つ一つの事件の先にある「真実」へ辿り着いていく物語。
最後に待っているのは、ただ一つの問い。
悪役令嬢は、なぜ必ず処刑されるのか。