あらすじ
物理学を専攻する大学生、天城 開。
幼い頃から両親の営む小さな町工場で「瞬間移動装置」を作り続けてきた開は、ついに空間と空間を接続する装置を完成させる。
しかし、開いた扉の先にあったのは地球上のどこかではなかった。
そこに広がっていたのは――未知の異世界。
そして実験の最中、開は何者かに襲撃され、意識不明の重体となる。
制御者を失ったゲートは暴走。
一時間ごとに出現場所を変えながら、世界中を移動する「異世界への扉」となってしまった。
ゲートを通った者には、たった一つの絶対的なルールがある。
一時間以内に帰還すること。
それを過ぎれば装置に個人登録され、次に自分の「帰還周期」が訪れるまで地球には戻れない。
二年後。
十年後。
あるいは――百年後。
帰還周期に人生を支配され、異世界に取り残された者たち。
人々は彼らを、**「ゲート囚」**と呼んだ。
そして事故から五年後。
眠り続けていた開は目を覚ます。
彼を待っていたのは、五年間ゲートを追い続けてきた唯一の親友――御影 黙示。
そして、自分の知らない姿へと変貌した世界だった。
異世界で変貌した生物。
異能を手にしたゲート囚。
開が作った覚えのない帰還システム。
なぜゲートは暴走したのか。
この五年間、異世界で何が起きたのか。
そして――誰が開の装置を書き換えたのか。
すべての始まりは、天城開が開いた一つの扉。
ならば、終わらせるのも自分だ。
「俺が開けた扉だ。――俺が閉じる」
これは世界を繋いでしまった青年と、五年間その帰りを待ち続けた相棒が、二つの世界を巡る物語。