あらすじ
五年前に祖国を失った元騎士、カイル・ヴァレス。現在は中立自由都市ヴァルハイムで、人探しから怪異討伐まで請け負うB級傭兵として暮らしている。
彼には秘密がある。
強力な怪異を殺すことで、その能力の一部を取り込む《怪異喰い》。
力は使うほど成長する。だが同時に、カイル自身も少しずつ怪異へ変わっていく。
ある日、彼は人喰いの怪異を討伐する依頼を受ける。
森で出会ったのは、赤い瞳をした長命の人外――リシェル。
彼女は人を喰ったことを認めながら、今回の事件だけは否定した。
そしてカイルへ奇妙な依頼を持ちかける。
「妾を殺した者を探してほしい」
リシェルは数か月前、確かに殺されていた。
なぜ彼女は蘇ったのか。
誰が彼女を模倣した怪異を作ったのか。
なぜ戦時中の研究施設が関係しているのか。
怪異、人間犯罪、護衛、失踪事件、戦場跡――。
様々な依頼をこなすうち、カイルは自分が避け続けてきた五年前の戦争へ引き戻されていく。
英雄になる気はない。世界を救うつもりもない。
ただ、受けた依頼は最後までやる。
怪異を喰うB級傭兵と、死んだはずの人喰い姫が巡る、依頼型戦後ダークファンタジー。