あらすじ
白い雪に閉ざされた最果ての地、ヴァルデリウス領。
政略結婚で嫁いだアナスタシアを待っていたのは、無愛想で実直な夫・ジュリアンとの、どこか他人行儀な新婚生活だった。
やがて戦争が始まり、夫は戦地へ赴く。
離れて初めて届いた一通の手紙。
会えば何も話せなかった二人は、文通で初めて互いの心を知る。
気づけば、その存在は何よりも大切なものになっていた。
――そんなある日突然、手紙は途絶える。
夫の身を案じながらも、アナスタシアを待っていたのは、戦争による人手不足と飢え、そして雪に閉ざされた過酷な冬。
夫が守ろうとした領地を守るため、彼女は糸を紡ぎ、食糧を確保し、領民たちと共に生き抜くことを決意する。
いつかもう一度、彼に「おかえりなさい」と言える日を信じて。
――たとえ帰ってきた彼が、人ならざる姿になっていたとしても。